英知出版(えいちしゅっぱん、EICHI PUBLISHING INC.)は、かつて存在した日本の出版社。

概要

AVメーカーの宇宙企画を創立した山崎紀雄が、1982年に出版社の権利を買取り、メディアミックスの出版事業に乗り出した。1983年に『ビデオボーイ』、『Beppin』を創刊。男性向け雑誌、特にグラビア雑誌を発行した。

1980年代末には『Beppin』、『デラべっぴん』、『ビデオボーイ』の3誌合計で毎月100万部を発行していた。

1994年には『Beppin』がわいせつ容疑で摘発。1996年には関連3社を含めて11億円の申告漏れを指摘され、5億6千万円の追徴課税を受ける。

2001年、山崎紀雄が株式を手放し、経営から手を引く。

2002年6月、ファッション誌、パズル誌、書籍部門を新設分割し、ゼィープラス子会社のインフォレスト株式会社に譲渡。

2006年に男性向け雑誌の発行部門を株式会社ジーオーティーに営業譲渡し、以後は趣味・実用系の雑誌・書籍を発行していた。

親会社であるティーケーパートナーズの経営破綻により、2007年3月30日に事業を停止し、同年4月19日に東京地方裁判所に自己破産の申し立てを行った。

沿革

  • 1973年:ホーチキ商事株式会社出版部としてホーチキ出版を設立。
  • 1977年:分離独立し、株式会社英知出版と改称。
  • 1982年:本社を神田(千代田区三崎町)より新宿区西新宿に移転。英知出版株式会社に商号を変更。
  • 1983年:本社を新宿区西新宿より新宿区新宿1丁目に移転。
  • 1986年:本社を新宿区新宿1丁目より新宿区愛住町に移転。
  • 1995年:本社を新宿区愛住町より新宿区神楽坂に移転。
  • 2001年:株式交換によりゼィープラス株式会社(現・セブンシーズホールディングス株式会社)が全株式を取得。
  • 2002年:6月ファッション誌、パズル誌、書籍部門を分割し、新設したインフォレスト株式会社に継承。10月プライムメディア株式会社が全株式を取得。
  • 2004年:有限会社ティーケーパートナーズが全株式を取得。株式は同社子会社のスタジオ英知株式会社が保有。
  • 2006年:本社を新宿区神楽坂より渋谷区神宮前に移転。男性向け雑誌発行部門を株式会社ジーオーティーに営業譲渡。
  • 2007年
    • 3月30日、事業停止。
    • 4月19日、東京地裁に破産を申し立て。

発行されていた主な雑誌

一般誌・女性誌

  • 411(フォー・ダブワン)
  • HARDCORE CHOPPER Magazine(ハードコア・チョッパー・マガジン) - ブレインに移管
  • COSMODE(コスモード) - インフォレストに移管
  • 韓国TV映画ファンBOOK
  • HONEY girl - ぶんか社に移管
  • ハイスコア - ぶんか社に移管
  • PC・GIGA - インフォレストに移管

パズル雑誌

  • クロスワードキング - インフォレストに移管
  • 漢字道 - インフォレストに移管

男性誌

「(※)」の雑誌は、「発行元:ジーオーティー、発売元:英知出版」を経て、「発行元・発売元:ジーオーティー」となった計8誌。

  • Beppin-School(※) - 1990年にBeppin9月号増刊『High school』として創刊。1992年の同年5月号より月刊誌として独立創刊、2008年に同年8月号をもって休刊。
  • Bejean(※)
  • ズバ王(※)
  • 実話大報(※)
  • ビデオボーイ→VIDEO BOY(※)
  • ベッピン
  • 大べっぴん
  • デラべっぴん
  • すっぴん→Suppin EVOLUTION(※)
  • すっぴん小姐(Suppin Co-gal)
  • Suppin EVOLUTION DVD (SP EVO DVD)(※)
  • BOYES
  • Dr.ピカソ
  • MEGA-SHOT
  • PHOTOSHOT
  • 大海賊
  • トラウママンガマガジン
  • KISSUI(※)
  • COMIC男爵
  • GOKUH(ゴクウ) - 創刊号は1991年8月号、最終号は2006年9月号

過去のグループ会社

  • バウハウス
  • メディアックス
  • 宇宙企画

その他

  • 2007年2月に出版されたムック『驚愕の外人犯罪裏ファイル-外人犯罪白書2007』が、人種差別を助長しているとして国内外の人権活動家から非難の声があがり、一部の店舗で販売を中止する動きが出た。英知出版の代表は「外国人犯罪に関する議論を深めたかった」としている。
  • 2007年1月に、兵庫県尼崎市の私立大学の英知大学(えいちだいがく)が大学名を「聖トマス大学」に変更すると発表し、2007年5月27日に改称が実施された。読みから「エッチ大」と揶揄されるのに加えて、インターネットで「英知」で検索エンジンに入力すると、当出版社がヒットすることも理由だった。
    • 当社が倒産した後、聖トマス大学(旧・英知大学)は運営上の理由で2015年に廃学となったため、奇しくも両者消滅した形となった。
  • 最末期に所在していた渋谷区神宮前の本社跡地には、結婚式場「青山フェアリーハウス」が2010年8月にオープンし、現在(2017年)に至っている。

脚注

外部リンク

  • 公式ホームページ - ウェイバックマシン(2004年7月15日アーカイブ分)

Eichi Publishing Beppin School August 2004 Edition 157 ありある まんだらけ

英知出版「COSMODE9号」特集記事 椎塚久世 AWRD

英治出版

【雑誌】すっぴん Vol.41 1989年12月 英知出版

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