脚鬚類(きゃくしゅるい、Pedipalpi)は、鋏角亜門・クモガタ綱に属する節足動物の分類群。ウデムシ・サソリモドキ・ヤイトムシから構成されており、クモなどと共に四肺類(Tetrapulmonata)をなす。

概要

脚鬚類の学名「Pedipalpi」は触肢(pedipalp)の意、これは本群で捕獲器に特化した触肢に因んでいる。脚鬚類をクモから区別できる共有形質は、特化した触肢の他に、感覚用の細長い第1脚・3節に細分される第2-4脚の跗節・腿節と膝節の関節にある左右非対称の屈筋・咽頭の筋肉を支えるように特化した触肢基節・はさみ型に近い折り畳みナイフ型の鋏角・鋏角の牙状節に繊毛をもつ、などが挙げられる。

現生クモガタ類に限れば、脚鬚類はクモに最も近縁の分類群であり、四肺類を構成する姉妹群となっている。ただし化石群の四肺類をも含む場合、Uraraneida類とコスリイムシは、それぞれクモと脚鬚類に近縁の姉妹群であると考えられる。脚鬚類とコスリイムシはSchizotarsataを構成し、3節に細分された第2-4脚の跗節を共有派生形質とする。

クモとウデムシは姉妹群で、Labellataを構成するという対立仮説もあるが、脚鬚類説の方が形態学と分子系統学の両方に広く認められる。

定義の変遷

20世紀初期まで、脚鬚類はクモガタ綱の1目(脚鬚目、ムチサソリ目)としてまとめられた。当時の有鞭亜目(Uropygi)と無鞭亜目(Amblypygi)が後に2つの目に分かれ(当時のヤイトムシ類は有鞭亜目=サソリモドキ目に含まれた)、更に1945年以降からは3つの目に分かれて21世紀の現在に至る。

脚注

関連項目

  • クモガタ綱
    • 四肺類
      • コスリイムシ
      • 有鞭類
  • 触肢

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