オリックス属(オリックスぞく、Oryx)は、偶蹄目(鯨偶蹄目)ウシ科に含まれる属。
分布
アフリカ大陸、オマーン
形態
頸部背面の正中線に沿って短い体毛が直立し、鬣状になる。
雌雄共に直線的かサーベル状に湾曲した細長い角がある。角には15 - 30本の環状の隆起がある。吻端は体毛で覆われ皮膚が裸出(鼻鏡)しない。第3 - 4指趾の蹄(主蹄)の間には臭腺(蹄間腺)がある。
乳頭の数は4個。
分類
以下の分類・英名はMSW3(Grabb, 2005)を基に、和名は今泉(1988)に従う。
- Oryx beisa ベイサオリックス Beisa(ゲムズボックの亜種とする説もある)
- Oryx callotis Fridge-eared oryx(ベイサオリックスの亜種キリマンジャロベイサとされるが、独立種とする説もある)
- Oryx dammah シロオリックス Scimitar horned oryx
- Oryx gazella ゲムズボック Gemsbok
- Oryx leucoryx アラビアオリックス Arabian oryx
生態
砂漠や半砂漠、サバンナなどに生息する。6-30頭からなる小規模な群れを形成して生活する。シロオリックスは雨期に1000頭に達する大規模な群れを形成することもあった。
食性は植物食で、草本、葉、果実、球根などを食べる。水があれば飲むものの、水を飲まなくても長期間生活することができる。
人間との関係
娯楽としての狩猟、家畜との競合などにより生息数は減少している種もいる。アラビアオリックスは1972年に野生個体は絶滅し、1980年から飼育下繁殖個体を野生に戻す試みが進められている。シロオリックスは1988年以降は生息報告例がなく野生個体は絶滅したとされ、1997 - 1998年の調査でも生息する証拠が発見されていない。
参考文献
関連項目
- ウシ科



