ラハイナ浄土院(ラハイナじょうどいん、英: Lāhainā Jodo Mission)は、アメリカ合衆国ハワイ州マウイ島のラハイナにある仏教寺院。日本の浄土宗に属する。
歴史
ハワイへの日本人移民は1868年(明治元年)に始まり、多くがサトウキビ農園で過酷な労働に従事した。19世紀末より、日本の仏教各宗派がハワイでの活動に乗り出した。浄土宗のハワイでの宗教活動は、1894年(明治27年)に「ハワイ宣教会」が組織されたことで始まる。
マウイ島には2018年現在3つの浄土宗寺院がある。マウイ島で最初の浄土宗寺院は、1910年(明治43年)に原聖道がプウネネの砂糖耕地に建立したものもので(1969年に移転し現在のカフルイ浄土院)、1912年(明治45年/大正元年)には原聖道によりワイルクに仮布教所が設立された(現在のワイルク浄土院)。
ラハイナ浄土院は、1912年(大正元年)に原聖道が仮布教所を設置したのが始まりであるとされる。1913年(大正2年)、斉藤原道が着任し、寄付などを募って1914年(大正3年)に正式な堂宇を建立した。1930(昭和5年)、カアナパリ海岸に隣接した現在地に移転。ハワイの浄土宗寺院はもっぱら欧米様式で建てられているが、この寺は日本様式で建てられた。
1963年、原源照が住職(主任開教使)として日本から赴任。1968年、ハワイへの日本人移民100年を記念し、鎌倉大仏を縮小した大仏(阿弥陀如来座像)を建立、また、納骨堂(三重塔)や鐘楼建立に着手した。しかしこのさなか、1968年9月に本堂を焼失している。本堂は1970年に再建された。
1983年に放送されたテレビドラマ『波の盆』(日本テレビ、実相寺昭雄監督・倉本聰脚本)は、日系移民たちを描いた作品である。原源照がドラマの制作に協力し、ラハイナ浄土院が重要なシーンのロケ地となった。
観光地としても知られるとともに、盆踊りや除夜の鐘といった行事も行われ、日系人に限らない地域コミュニティの中心の一つとなっている。
2023年8月8日、ラハイナを襲った大火(ハワイ・マウイ島山火事)により被災。本堂や三重塔は焼失したが、本尊は現場に残った尼僧が運び出し翌9日に原源照の手元に戻ってきた。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 井川定慶「ハワイの浄土宗」『佛教大学学報』第18号、1969年。https://archives.bukkyo-u.ac.jp/repository/baker/rid_DH001800009697。
関連項目
- 法光寺 (ハワイ州) - ラハイナにある真言宗の寺院
- ラハイナ本願寺 - ラハイナにある浄土真宗の寺院
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